芹沢銈介美術館に行ってきました。『日本のかたち―芹沢銈介が集めた日本工芸―』開催中です。
年初の寒波が少し緩んだ日に、静岡市立芹沢銈介美術館に行ってきました。
日本のかたち―芹沢銈介が集めた日本工芸―の企画展が3月21日(日)まで、開催中です。
美術館が所蔵する4500点におよぶ芹沢銈介収集の日本工芸品の中から250点を特集展示されています。
かつて工房にかけられていた「芹」の字の暖簾に迎えられて展示室に入るとそこには芹沢銈介の型染め代表作60点が展示されていました。 小川紙漉村文着物、沖縄風物文帯地、州浜型四季文四曲屏風、福の字暖簾… などなど日本各地の風景、人、物、動物、植物をモチーフにデザインし、型染で表現しています。 大胆なデザインと明るく温かみのある色彩に何やら心が弾んでくるようでした。
先に進むと収集品の展示エリアです。 芹沢銈介は優れた審美眼を持つ収集家としても知られていて、対象は染織品、やきもの、漆器、木工、家具、郷土玩具、絵馬、祭礼の道具と幅広いジャンルに亘っています。 染織品はアイヌの厚司、東北の刺子着、沖縄の紅型、裂織等が揃い圧倒されます。 斬新なデザインと緻密な手作業に見とれてしまいました。
厚司(アイヌ)
刺子半纏(東北地方)
芹沢銈介の収集の原点のなったのは24歳頃から始めた小絵馬。民芸運動の父柳宗悦にも高く評価されました。宗悦を師とも仰ぎ終生交流したそうです。躍動感あふれる「南部小絵馬」を始め20点が展示されています。人々の素朴な願いを代弁しているように思えました。
南部小絵馬
那覇張子
昨年来、気がかりなことの多い毎日が続きますが、明快で温和な作風の芹沢作品と「芹沢が見た日本」コレクションにひととき癒されました。今後の企画展も楽しみです。
本企画展の開催は2021年3月21日(日)まで。開館時間は 9;00~16:30。休館日は 月曜日、休日の翌日。
併せてご案内 日曜日と祝日に、付属施設「芹沢銈介の家」が無料で見学できます。
「僕の家は、農夫のように平凡で、農夫のように健康です」と語り、愛着を持っていた建物を、東京・鎌田から移築したものです。
芹沢銈介美術館HP