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県民の日協賛 講演会『 徳 川 家 康 公 と 久 能 山 東 照 宮 』8月27日(日)開催しました。

 

8月21日の「静岡県県民の日」に協賛 して27日(日)アイセル21において、久能山東照宮名誉宮司 落合 偉洲 (ひでくに)氏に講師をお願いし  講演会『 徳川家康公と久能山東照宮 』を開催しました。本年は11月3日(金・祝)から12月13日(水)、静岡市美術館にて開催する「NHK大河ドラマ特別展 どうする家康」への観覧促進も兼ね実施しました。猛暑の中、183名の方々にご来場いただき、熱心に聴講いただきました。落合氏の講演の一部をご紹介いたします。

 

 

《 家康公のご遺体はどこに? 》

20年前私が静岡に来た当時は、家康公のご遺体は日光にあると思っている人が多かった。天海が書いたと言われている和歌「あれはある なけれはなきに するがなる くのなきかみの みやうつしかな」の意味がわからないとも言われてきた。「く」=「躯」=「御尊躰」の意味 つまりご遺体のこと。天海は日光にうつしたくてしょうがないが、家康公の遺言「遺体は久能山に 増上寺で葬儀 位牌は大樹寺 1年たったら日光へ堂を立て勧請せよ。」を何人かの家臣が聞いているため、遺言に従うが、このような和歌を作ることになった。

 

久能山東照宮の社殿群は、南南西に向いて建てられ、富士山、御前崎、伊豆半島下田まで約50kmのほぼ等距離にあります。平成22年(2010)12月本殿、石の間、拝殿が国宝に指定されました。平成22年(2010)の国宝指定前の参拝者数は10万人。翌年は19万人。平成27年(2015)の家康公没後400年祭時は43万人と推移してきました。近年はコロナ禍で減少となりましたが、本年は大河ドラマ効果で50万人を超えると予想しています。

 

《 家康公の政策の柱 》

①教育 慶長8年(1603)征夷大将軍となった家康公は、教育の充実を掲げ、自分の欲望のままでは世が乱れる=人が人としての道を生きる朱子学 を取り組みます。元和2年(1616)日本で最初の金属活字「駿河版銅活字」を駿府城内で製造し、仏教の典籍「大蔵一覧集」、治世のための参考書「群書治要」を出版。「群書治要」の完成を見ずに、家康公は亡くなります。この書籍の出版は、家康公が14歳の「人質時代」に太原雪斎が臨済寺で中国の歴史書「歴代序略」を発刊したことにあるとも言われています。書籍の発刊は、治世の参考書として広めたい。国民のレベルを上げていこうとする業績であったといえます。

 

 

久能山東照宮所蔵の〈和剤局方〉は中国で12世紀に編纂された薬剤の処方集をもとに朝鮮で銅活字を用いて出版された書籍です。宇喜多秀家が朝鮮の役(1592~1593、1597~1598)で持ち帰り、それが秀忠に献じられ、秀忠から家康に贈られたといわれています。養生に気を使っていた家康公は、この本で良薬を調合して家臣にも与えたといわれています。

 

②外交 慶長14年(1609)スペイン属領のフィリピン総督ドン・ロドリゴらがメキシコへの航海中に房総沖で遭難し、家康公がこれを救助し帰国の船を提供しました。それに対する謝礼として、慶長16年(1611)にスペイン国王から贈られた時計で、ゼンマイ式時打ときうち時計としては国内現存最古の時計です。

イギリスとの関係については、慶長18年(1613)7カ条からなる朱印状を交わし、関税はかけず、治外法権も認めました。平和外交=お互いが利益を分かち合うWinーWinの関係を構築します。

 

③命の大切さ 〈社殿の「甕割り」の彫刻〉中国(北宋)の政治家 司馬温公の幼少の頃の話。「貴重な水カメの周囲で子供たちが遊んでいます。ところが、その中の一人が誤って水の入ったカメの中に落ちてしまいました。ある一人の子が直ぐに大きな石でカメを割り落ちた子を助けた。どんなに貴重な物でもそれに勝るものは人の生命である。生命の尊さを教える絵である。甕は金で買えるが、命は買うことができない。日光東照宮にも陽明門の正面にある等々、時にユーモアを交えながら和気藹々としたお話であっという間の90分でした。

 

 

最後に質問コーナーでは、

①Q 御神廟の写真で三つ葉葵の下に輪宝の紋があるのはなぜか?A 仏法を護るという意味の印

②Q 2000年6月10日「時の記念日80周年」のとき松浦宮司が時計を指で鳴らしたが、今後鳴らすことはないか?A ない。時計を修理して音が鳴るようにするのではなく、今の状態のまま後世に残していくことが私たちの役目。

時間の都合で2名様の質問で終了させていただきました。

 

この秋、家康公と信長・秀吉・信玄・徳川四天王ゆかりの名宝が静岡市美術館にやってくる。

最後に11月3日(金・祝)から12月13日(水)まで静岡市美術館にて開催する「  NHK大河ドラマ特別展 どうする家康」の

展示内容のポイントを静岡市美術館学芸員の高橋哲也様からお話しいただきました。

 

大河ドラマ「どうする家康」と連動し、家康公の生涯の重要なターニングポイントとなった出来事を、作品をとおして紐解く、過去に例を見ない展覧会です。

信長・秀吉・信玄・徳川四天王など、家康公に影響を与えた戦国武将のメイン・キャストたちにまつわる名宝や、同時代の歴史資料も交え、

家康公が迫られた決断や、竹千代時代から豊臣大名時代、大御所時代までの真の姿を浮き彫りにしていきます。

 

会期途中で展示替えを行いながら、全115点、このうち国宝6点、重要文化財45点を数え、このような質の高い資料で家康公の生涯を辿る企画展の開催は、

次は約20年後、生誕500年を迎える2042年まで難しいだろうといわれています。