「海野光弘 働く人 ― 暮らしを彫る版画」6月8日(日)まで島田市博物館分館において開催中。
「版画は画や形がよくてもだめだ。生活の中から取り出して彫ってゆく。その生活を見る目をやしなう。僕は弟にそれを教えたい。」中学2年14歳の夏(1953年7月22日)の海野光弘の日記の一文です。版画を始めた弟に向ける形で、自身にとって木版画とは何かを大学ノートに書きつけた文章です。
日本の原風景を描いた海野光弘は、生涯、働く人々の舞台として自然豊かな風景や古民家を描きました。人間の暮らしに柔らかなスポットを当てつつ、全てを愚直なほど丁寧に描写しているのはなぜでしょう。木版画の中に込められた想いが、時を経てなおあふれます。