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『 駿河蒔絵 展 』 駿府の工房 匠宿において、2026年2月1日(日)まで開催中です。

蒔きつける絵。

華やかで繊細な技。
司るのは駿河の絵師たち。

 

 

蒔絵とは、漆で模様を描いて、漆の乾かないうちに金銀錫粉や色粉を蒔きつけ、文様を表したものです。

 

駿河蒔絵の始まりは、文政11年(1828)、駿府に住む塗師・中川専蔵が、信州の画家・天領に蒔絵技術の教えを受け、花鳥草木などの本格的な蒔絵を、漆器、雛具、茶道具などに取り入れたのがきっかけといわれています。

 

天保元年(1830)、江戸より漆器蒔絵職人・小林留吉、小林遷次郎が来静し、駿河蒔絵は更に高い技術を身に着けました。明治になると、欧米文化の色が濃くなり、デザインや構図を理解し、蒔絵に応用する動きが出始めます。

 

現在は文箱、オルゴール、写真立て、鏡台、硯箱、雛道具、塗下駄、家具、アクセサリーなどに蒔絵を施すことを主としており、荒い金銀粉を漆で固め、研磨して仕上げる消粉蒔絵をはじめ、平蒔絵、研ぎ出し蒔絵、錆上蒔絵、高蒔絵などの技法を得意としています。

 

さまざまな職人とその技法を、展覧会でご覧いただきたいと思います。匠宿伝統工芸館の入口回廊を彩る、東海道五十三次を描いた羽子板も駿河蒔絵の作品です。この機にあらためてご鑑賞ください。

 

駿府の工房・匠宿のHPはこちら。