今川家一族・瀬名氏の史跡と駿府城石垣のルーツを訪ねる『瀬名ウォーク』6月4日（日）開催しました。
晴天に恵まれた6月4日（日）、瀬名氏の史跡と駿府城石垣のふるさとを訪ねる『瀬名ウォーク』を行いました。
葵区と清水区の境に位置しベッドタウンとして発展する町「瀬名」は、弥生時代から人々が暮らしてきた歴史ある地区です。
リンク西奈
参加者65名、駿府ウエイブガイド8名、スタッフ4名が対応し、9時から順次スタートしました。
コースは ①リンク西奈 ②光鏡院 ③龍泉院 ④権現宮•刻印石 ⑤中川家 ⑥切石•水梨橋 ⑦利倉神社 ⑧郷倉 ゴールのリンク西奈まで、約2時間30分のウォークでした。
光鏡院
光鏡院は、今川陸奥守一秀の菩提寺で、長亨2年（1488）僧・慧雲が開山した曹洞宗のお寺です。文明8年（1476）今川6代当主義忠が不慮の死をとげ、今川一族の間で竜王丸（今川氏親）派と小鹿範満派に分れて争いが起ると、一秀は竜王丸を補佐するため遠江から瀬名に移り住み、瀬名氏と改名しました。以来、一秀は瀬名一族の祖となりました。
通称「瀬名館」は、瀬名集落のほぼ中央にあり、瀬名一秀を祖として氏貞、氏俊、氏詮四代の居館跡であったことが「今川記」に記されています。今日、遺構は認められませんが、今川直系を補佐する一族として瀬名氏の勢力は大きかったといえます。
光鏡院をはさんで、瀬名氏３代目氏俊の奥方（今川義元の妹）菩提寺「龍泉院」と、瀬名氏２代目氏貞の菩提寺「松寿院」があり、一体は瀬名一族発祥の地で、今川一族研究のうえからも、きわめて意義深い土地柄です。
途中「お神酒口展示」を見学しました。静岡神酒口保存研究会様が説明して下さいました。
権現沢の刻印石
駿府城築城のため長尾川流域から切り出されたものです。幕ヶ谷の山崎氏が、茶畑で発見しこちらに保存しています。瀬名には北沼上小学校と数軒の家に切石があるそうです。
権現宮＝幕ヶ谷神社
「幕ヶ谷」という地名は、徳川家康が鷹狩りのとき陣幕を張って休まれたことに由来します。幕ヶ谷の山崎家のご先祖は、家康公の御案内役を務めたことから「権現神社」を建て、今でもお祀りしています。明治時代から「幕ヶ谷神社」と呼ばれています。鳥居には「権現宮」と刻まれています。
切石（長さ1メートル、高さ80センチ）
慶長１２年（1607）、徳川家康が大御所として駿府城へ入城するとき、駿府城築城のために、近くの石丁場から運ばれてきた石垣用の石です。しかし運ぶ途中で落石した為、落城に繋がり縁起が悪いということで、そのまま置き捨てられたそうです。昭和52年（1977）の道路拡幅工事のとき発掘され、こちらに保存されています。
水梨
徳川家康が瀬名へ鷹狩りに来た時、のどが渇いたため家来に水を命じました。その時近くに居合わせた源右衛門の妻が、水代わりに採れたての「梨」を差し出しました。これを食べた家康公は、とても美味しかったことからこの土地を「水梨」と呼ばせたといわれています。そして源右衛門は家康公から土地、葵の紋の茶釜、槍、そして「渡辺」という苗字を与えられ今も受け継がれています。
水梨橋を渡り利倉神社へ向かいます。水梨橋の下を流れる長尾川は、普段は水が無くまさにミ・ズ・ナ・シ。江戸時代には家康公が水泳をされたとか！？
利倉神社
今から４９５年前の大永８年（1528）瀬名氏2代氏貞によって創設されたといわれています。利倉神社には、梶原景時父子とともに梶原山で死んだ名馬「摺墨」の鞍を祀ったことから「登鞍神社」と呼ばれたという言い伝えもあります。
郷倉（静岡市指定文化財）
江戸時代に年貢米や凶作に備えての貯穀、災害飢饉への備蓄米などを保存するため建てられた穀物倉です。隣にある付属番屋には、盗難や風水害から郷倉を守る常駐の蔵番（番人）をおいていました。時には村の会議所でもありました。
中川家
瀬名の名家でご先祖は小川城を築いた「小川氏」です。田中城主を兼ねた代の時に三方ヶ原の戦で戦死、子は瀬名の光鏡院に入り学問を修めました。田中城の「中」と小川城の「川」をとって「中川」と姓を改めて郷士となりました。７代目の故「中川雄太郎」は、版画家として知られ、昭和４２年度静岡県文化奨励賞を受賞しました。
ご参加のお客様は市外からお越しの方、転勤で静岡へ来られた方、通勤で瀬名に通われている方、市内にお住まいの方、地元瀬名地区にお住まいの方々でした。
「地元なのに知らない事が沢山あり参加してよかったです。」「知人から紹介されて初めて瀬名にきましたが良い所ですね。」「静岡の事を知りたくて参加しました。楽しかったです。」「生涯学習センターのチラシをみて初めて参加しました。説明が聞けてよかったです。」「以前駿府ウエイブのイベントに参加したことがあり、久しぶりに参加しました。また色々なイベントを企画してください。」等の感想を頂きました。ありがとうございました。