遅咲きの梅園で知られる洞慶院
洞慶院の由来
洞慶院(静岡市葵区羽鳥)はもと建穂寺(同建穂)塔頭の一つであるといわれ、当時の名を喜慶庵と称していました。享徳元年(1452)、現在の位置に福島伊賀守(くしまいがのかみ)が開基し、石叟円柱(せきそうえんちゅう)が開山したのが洞慶院です。本尊は建穂寺と同じ千手観音菩薩を安置していて、福島氏の跡を継いだ石上氏が寄進しています。
石上氏は今川範政の招きで羽鳥に住むようになり、建穂寺の鎮守たる馬鳴大明神を祀る明神森(現在の羽鳥)に神主職として迎えられました。馬鳴大明神は養蚕機織業の守り神でして、その後の世の趨勢により忘れ去られ、元禄13年(1700)に近くの山脇に移され、現在は洞慶院境内の祠に守られています。

洞慶院の梅園
洞慶院の梅園の見ごろは3月初旬でして、400本あるといわれる紅梅・白梅ともにまだつぼみの木も多く見受けられます。梅園の中央には、「老梅林園」と彫られた石碑が建っています。老木もありますが植えられて数年と思われる稚樹もあり樹齢は様々です。中には寄贈者の名札が付けられた木もあります。
既に梅園の一角のロウバイは今が盛りと咲いていて、そのそばの紅梅は競うように花を咲かせているかのようで微笑ましい光景です。ウメもロウバイの花の色も弱い冬の光を受けて、赤・白・黄色といずれも淡い色をしているのが印象的です。また、ウメの花は上品で控えめな香しさを漂わせていて、一方ロウバイはウメの花より香りがやや強く爽やかな甘さにしかも温もりが感じられます。

