12月6日(金) 静岡市文化財特別公開「神部神社・浅間神社楼門」現場見学会に参加しました。
楼門及び透塀工事は平成29年に着手し令和2年11月の完了に向け、現在、塗装工事中です。ヘルメットを被り、職人さんの先導で現場に入りました。工事現場を覆うシートの内側で楼門はさらに厚手の透明ビニルシートで覆われています。これはほこりを除け湿度を保つためだそうです。このシート越しに屋根下の扇垂木、木鼻、眼象、高欄と見て回りました。上の階では赤い漆を塗る作業を、下の階では麻布を着せ下地を付ける作業をしていました。彫刻や錺金具は外して修理をすすめています。
現場見学会ののち、文化財資料館に入館。会期中、1階会議室では、楼門彫刻の補彩作業の実演をしています。欄間や蟇股から外された彫刻は伝統的な日本画と同様に顔料(岩絵具)を膠に均一に混ぜたものを用いて着色していくそうです。この日は日本画を学んできた20代の女性が「鹿に紅葉」の彫刻の補彩作業をしていました。若い担い手がいることを知り何か嬉しい気持ちになりました。
2階展示室では、職人さん達の技術で鮮やかによみがえった蟇股彫刻「桜に馬」「松に熊」、木鼻「獅子」、金色の輝きを取り戻した力神、各種の飾り金具が展示されています。これらが塗り替えられて艶やかになった楼門の高い所に納まっていくのだと思うとなんとも楽しみですが、今なら自分の目の高さで間近に江戸の職人の繊細な技と現代の職人の技術の粋を見ることができます。是非、浅間神社に足を運ばれてご覧ください。会期は12月22日(日)までです。