観光ボランティアガイド 駿府ウエイブ

7月31日(日)静岡リビングカルチャーセンター主催「夏休みワクワク歴史ウォーク」が開催されました。

731()、静岡リビングカルチャーセンター主催の「家康公の幼少期をたどってみよう!夏休みワクワク歴史ウォーク」が開催されました。

JR静岡駅の竹千代像とご家族ごとに写真を撮り、スタート。徳川家ゆかりの「小梳(おぐし)神社」を訪ねたのち、ビルの一室にある「新光明寺別院」で快慶作と言われる国の重要文化財「阿弥陀如来像」を拝観し、7月23日にプレオープンした「静岡市歴史博物館」をいち早く見学! さらに駿府城東御門で駿府城について学び、天正期と慶長期の2つの天守台を見ることができる天守台発掘調査現場のコース(約2Km)をじっくり3時間かけて巡りました。

事前に申込まれた小学3年~6年生と保護者の8組、17名を、駿府ウエイブガイド4名がご案内しました。

 

JR静岡駅、竹千代像

 

(小梳神社)

 

小梳神社は家康公が駿府に今川氏の人質として来た時、最初に立寄り、武運長久の祈願をしたといわれています。

家康公は、8歳から19歳の多感な時期を、今川家の「政務見習い」として駿府で過ごし、45歳から49歳には天正期駿府城を築き、三河、遠州、駿河、甲斐、信濃の5ヶ国を統治し浜松から駿府に拠点を移しました。66歳から75歳までは大御所として駿府城に移り、大坂の陣で豊臣氏を滅ぼし、徳川の覇権を確立しました。都合75年の生涯の内、25年を駿府で過ごしました。その後、約250年に及ぶ世界史上類を見ない平和な時代を作り上げることになりました。

 

(新光明寺別院 : 木造阿弥陀如来立像(伝快慶作)国指定の重要文化財。

 

新光明寺は京都の浄土宗総本山知恩院の直末寺で、ご本尊は阿弥陀如来立像。奈良国立博物館に修理を依頼したおり、快慶の作である可能性が高いということから、国の重要文化財に指定されました。*本院は昭和52年(1977)足久保に移転。

家康公が15歳の1556年、今川義元の従兄弟にあたる公家の山科言継(ときつぐ)が半年間滞在し、新光明寺を拠点に日記「言継卿記」を残しています。この日記は今川家最盛期の駿府の様子を伝える貴重な資料となっています。

新光明寺別院での阿弥陀如来立像の直近での拝観は事前連絡(054-253-6231)が必要です。都合により拝観できないこともあります。

 

(静岡市歴史博物館、戦国時代末期の道と石垣

 

3年前の歴史博物館建設前の発掘調査時に、戦国末期(天正期)の道とその両脇にある武家屋敷の石垣が見つかりました。道は幅 2.7m、長さは 30mを超え、博物館の1階部分にそのまま公開されています。今までの駿府城の発掘調査では今川期の遺構も発掘されていますが、石垣を使用した遺構は発掘されていないことから、家康公が三ノ丸の堀と石垣を築造する以前の戦国末期(天正期)の石垣とされています。

又家康公が武器よりも言葉による統治を願い日本で最初に駿府城三の丸で作らせた「駿河版銅活字」(レプリカ)が展示されています。来年1月の全館オープン時には駿河版銅活字を使用し印刷された「群書治要」が展示される予定です。

静岡市歴史博物館は9月25日(日)までは毎週土日祝に1階部分のみプレオープン。10月1日(土)からは休館日の月曜を除き毎日開館します。戦国時代末期の石垣などの遺構を無料で見学できます。全館オープンは来年1月の予定です。静岡で育まれた大切な歴史の価値と魅力を発信する博物館となります。

 

(駿府城東御門、巽櫓)

 

昨年4月にリニューアルした東御門・巽櫓展示場は、戦国大名・今川氏の本拠地「今川館」から、徳川家康による2度の築城、幕府の聖地としての維持、さらには廃城後の活用など、駿府城が歩んできた道のりを余すことなく紹介しています。出土した大量の金箔瓦や諸外国から“皇帝”と呼ばれた家康の力を示す青銅製鯱、築城ジオラマなど駿府城に特化した展示がされています。静岡市歴史博物館が開館する来年1月以降は博物館のアネックス(別館)として機能することになります。

 

(天守台発掘現場)

 

平成 28 年(2016)8 月~令和 2 年(2020)2 月の4年間実施された駿府城天守台の発掘調査では、慶長期の天守台は底辺(水際)西辺=約 68m 北辺=61m 。 江戸城天守台より大きことが判りました。また、石垣の積み方は打ち込み接(西辺中央)・切り込み接(西辺南側)と異なる箇所があります。(江戸期 2 度の地震の後修復した箇所?) 

天正期の天守台は約 37m(西辺)× 約 33m(北辺)の野面積みの天守台の石垣が発見 されました。また金箔瓦 330 点出土し、豊臣秀吉の関与もあったのではという見解が示され、二人の天下人が関わった天守台が見ることができる駿府城は全国から多くの見学者が訪れています。

 

夏の暑さを避けるため、途中室内に立ち寄り、比較的短い距離でしたが駆け足で巡りました。参加された皆さんからは「歴史が好きで参加しました。今日の案内を聞くことができ更に興味を持ちました。」「夏休みの自由研究で、朝鮮通信使に取り組もうと思っています。今日のコースに朝鮮通信使に関わったお寺があることを知ってよかった。」「新光明寺で快慶作と言われる阿弥陀如来像を後ろかも、目の前でも拝観出来て感動しました。」「色々なところを詳しく案内していただき、新たな知識も与えていただきありがたかった。」「今まで何も気づかないで歩いていましたが、静岡駅の近くの街中にこんなに歴史的な史跡があるとはビックリ!!」等の感想をいただきました。

猛暑の中お疲れさまでした。