観光ボランティアガイド 駿府ウエイブ

ウォークイベント 「 あるある探検隊!!今川氏編 臨済寺へ行く 」 、5月15日(水)開催されました。

 

5月15日(水)、駿府城公園ランドマーク共同事業体主催の「あるある探検隊~今川氏編 臨済寺へ行く~」が開催されました。今川家の最盛期の知識を得ていただくために駿府ウエイブのガイド4名がご案内しました。

応募総数156名の中から抽選で選ばれた43名の参加者は駿府城・坤櫓をスタートし二ノ丸橋、四足御門跡、報土寺、静岡浅間神社、天沢寺(冨春院)、臨済寺までの約3km、1時間30分のウォークを楽しみました。

スタート地点の坤櫓のある地点は過去の発掘調査で「今川時代」の池の遺構が見つかっています。また金箔を貼った素焼きのかわらけ、硯、青磁の大皿の破片なども出土しています。

静岡のお友達のところに滞在中のドイツからのお客様も「静岡の歴史を知りたい。」とお友達と参加されました。臨済寺は春秋の年2日間しか一般公開されませんが今回特別拝観させていただきました。お二人の雲水の方に1時間かけてご説明頂きました。ご案内ご案内箇所の一部をご紹介いたします。

 

報 土 寺

報土寺の開創は今川氏親(義元の父)の時代大永2年(1522)、京都から来ていた公家で歌聖藤原定家の直系の冷泉家第7代の冷泉為和が、度々報土寺で歌会を催していた記録が残っています。為和は歌聖藤原定家の直系冷泉家第7代当主です。当時の荒廃した京都を逃れて駿府に流寓した公家はかなりの数にのぼり、為和は天文18年(1548)没するまで駿府に居りました。「代々かけて 軒のかはらに むす苔も 縁あらそふ 松の気だかさ」の歌碑があります。

弘治2年(1556)駿府に来た中納言山科言継も報土寺に参拝したことが『言継卿記』に詳しく記されています。『言継卿記』には半年間の駿府滞在時の日記も含まれており、当時の駿府の様子が伺えます。

 

静 岡 浅 間 神 社

今川家は足利一門において名門とされ、足利将軍家の親族としての家格を有し、室町将軍家から御一家として遇された吉良家の分家にあたります。駿河国総社として古くから信仰を集めてきた静岡浅間神社は、今川氏の初代範国が駿府に進出したとき、最初に参拝した寺社です。巫女のお告げを受け今川氏の「赤鳥」の笠験が誕生して以来、歴代当主から厚い庇護を受けてきました。現在の社殿は、江戸時代後期の文化元年(1804)から60年の歳月をかけて再建されたものです。総漆塗り極彩色の社殿群のいたるところに立川流の見事な彫刻が施されており、26棟の建造物が国の重要文化財に指定されています。現在、大拝殿の保存修理工事が令和10年8月までの予定で進められています。

 

天 沢 寺 (富春院) 

桶狭間の戦いで今川義元が戦死すると、岡部五郎兵衛元信は、鳴海城を守って、徹底交戦を続けました。信長は義元公の遺骸を渡すことを条件に、明け渡しを交渉し、岡部元信はそれを受け入れ、義元公の遺骸を貰い受けて、鳴海城から撤退しました。途中、豊川市の大聖寺に義元公の胴体を埋葬し、駿府へは首だけを持ち帰りました。 

義元公の菩提寺として天沢寺が創られました。天沢寺は江戸時代後期に廃れ、文化8年(1811)に今川義元像は臨済寺に移され、明治24年(1891)に墓も臨済寺に移され天沢寺は廃寺となりました。現在墓地富春院の墓地の一画に、「今川義元公慰霊塔」(石造十三重塔)があります。

 

臨 済 寺  

 今川氏の軍師太原雪斎が今川義元の兄で8代目当主氏輝の菩提寺として建立した寺です。氏輝は直臣団馬廻り衆の創設や商業振興などに力を注ぎました。今川家墓所のほか、義元や雪斎の木像など今川氏ゆかりの品々が数多く残されています。入口の山門は明治の神仏分離令により浅間神社から移された仁王像が安置されています。

江戸時代前期の建立で駿河の勅願寺であったことを示す「勅東海最初禅林」の額が本堂正面に掲げられています。

臨済寺庭園は、天正年間(16世紀後半)以後の伽藍再建の際に整備されたと伝えられ、江戸時代には「府(駿府)辺第一の風景也」と謳われました。このほか、臨済寺本堂、鉄山釜(県指定文化財)などがあります。修行寺ですので、普段は本堂など建物内に入ることはできません。今回は特別に拝観が許されました。

本堂内部を雲水の方にご案内いただきました。

大書院内部の「竹千代御手習いの間」の前での雲水の方にご案内いただきました。

 

 参加された方からは、「細かく丁寧に説明して頂いて、とても分かりやすく、楽しい時間でした。また、是非やっていただきたいと思います。 臨済寺の中も普段聞けないお話をたくさん聞くことができて良かったです。ありがとうございました。」「今川氏について知らないことが色々分かり興味深かったです。浅間神社や冨春院等よく行くのですが、そこにある 史跡等、気づかなかったものも多く、再発見した。また機会があったら、参加したいです。」「修行僧の方の説明が興味深かった。リーダーの方の説明も大変役立ちました。」「臨済寺の修行僧さんのご説明を聞きながら、普段拝見できないものの数々を見れた事に感謝します。とても素晴ら しかったです。ありがとうございました。」「臨済寺の修行僧の方の説明が興味深かった。リーダーの方の説明も大変役立ちました。」等々の感想をいただきました。参加された方、ガイドの方お疲れさまでした。